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開業医の節税方法・税金対策とライフプランニングのすすめ

切っても切れない開業医と税金対策の関係

開業医がライフプランニングを考えるとき、もっとも注意したいのがお金周りのこと。

医院の安定成長のためというのはもちろん、退職後に充実した生活を送るためにも、キャッシュフローには常に目を配り、それを改善していかなければなりません。

理想とする将来像を前提に、万が一の時の保険や集患対策、事業計画など、どこにどうやってお金を回していくのかをはっきりさせておく必要があります。

そして、お金にかんすることでまず対策しておきたいのが、税金です。医師は多忙な職業です。そのため、本業に専念するあまり、節税をほとんどしないまま税金を支払ってしまいがち。

しかし税金というのは、対策次第で相当な減額が見込めます。医師のように高収入な職に就いている人ほど、税金対策を行うメリットは大きくなります。

少々乱暴ですが、収益を高める方法は、収入を増やすか出費を減らすかの、2通りしかありません。収入を増やす手段はケースバイケースによって違ってきますが、出費を減らすことは、税金対策をすればほぼ確実に実現できます。

100%ではありませんが、手間を嫌って何もしないでいるより、外部に任せてでも節税したほうが、最終的に手元に残る金額は大きいでしょう。

このサイトでは、節税対策によって資産形成に成功した開業医の体験談などもまとめていますので、興味がある人はこちらもチェックしてみてください。

節税対策や資産形成に成功した開業医の体験談>>

合理的なライフプランニングを組み立てるには、こういった財務・会計にかんする細々した事柄を1つひとつ丁寧に消化していく作業が必要不可欠です。

税理士をはじめ、税金対策などの実務をサポートしてくれるサービスは数多くあります。無料で相談を請け負っているところも少なくありませんので、まずはそういったサービスを活用されることをおすすめします。

医師専門のコンサルティング会社もおすすめ

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節税は経費を使えば大丈夫?もう一度考えてみよう

節税になるからといって、単純に経費を使えばいいわけではありません。税金を減らすために、積極的に交際費などを増やしている開業医の方もいます。たしかに経費を使えば節税につながりますが、経費が原因で損してしまう場面もきちんと知っておきましょう。

たとえば交際費を100万円使った場合、税率50%であれば100万円×50%=50万円を節税できます。しかし、これは「50万円の節税をするために、100万円支払った」という考え方になります。「交際費を100万円から50万円に抑えられた」といった見方もできますが、手元に残るお金が50万円減っているのは事実です。50%オフのセール品を購入したような感覚に似ているのかもしれません。

経費だけの節税では、無理してお金を使わなければいけません。節税になるからといって経費を使えば、結局手元に残るお金が減ります。税率分をディスカウントして出費にあてるのは、果たして正しい節税対策といえるのでしょうか?

法人化した場合であっても、同様の考え方となります。経費をうまく使えば法人納税額を下げられますが、期末に利益が見込めない場合は経費を使うべきではありません。医院の経営でも経費を使うほど、キャッシュフロー(現金収支)が悪くなるため注意してください。

やみくもに使えばキャッシュフローの悪化を招く

たとえば売上1,000万円で経費900万円を使用した場合、利益100万円が残ります。法人税40%では100万円×40%=40万円が納税額となり、手元に残るお金、すなわちキャッシュフローが60万円(100万円-40万円)となります。もし売上1,000万円で経費910万円であった場合は、利益90万円、納税額36万円(90万円×40%)、キャッシュフロー54万円(90万円-36万円)です。

節税目的で経費を10万円多く使ったはずなのに、手元に残るお金が6万円も少なくなってしまいました。このように、ただやみくもに経費で落としてしまうと、キャッシュフローが悪くなり、下手すれば借入が必要になってしまう恐れがあります。経費のお金は医院のお金であり、医院の成長と節税効果が期待できるものに使っていきたいところです。

ヘタすれば税務調査の対象に…

何でもかんでも経費にしようとして、実は経費にならなかったケースもあり得ます。税務調査により経費を落とせなかったと判明した際には、全額自己負担になるだけではありません。最悪の場合、法人税の追徴課税や加算税、延滞税などを支払う義務まで生じます。

節税目的の経費が、実は思いもよらない事態を招く恐れもあるので注意しましょう。

他にもアルアル!開業医の節税方法

クリニックの節税方法では、「経費をもれなく集める」「税率自体を下げる」といった2つのポイントを押さえましょう。経費の見直しと税率の区分変更を心がけるだけなので、むずかしく考える必要はありません。

経費をもれなく集める

経費をうまく使えば、医院経営に必要なものを安く手に入れられます。ただ、実際には経費もれに気づかず、新たに交際費などでお金を使う方が多いのが現状です。事業で使っていて経費になるものをもれなく集めれば、大きく節税できます。賢く節税するためにも、経費の内訳について詳しくみていきましょう。

交際費

交際費とは、仕事の付き合いがある方に接待や慰労、贈答などを費やした場合のお金です。

  • 情報収集のため、誰かと飲みにいった時の飲食代
  • 取引先を招待したゴルフプレー代
  • 開業○周年の記念パーティー代
  • スタッフを慰労するための飲食代
  • 取引先への香典(スタッフの場合は、福利厚生費)
  • 取引先に渡した商品券
  • 謝礼金
  • 取引先のイベントの参加費用
  • お中元やお歳暮、手土産

交際費として認められるのは、取引先だけではありません。将来取引をしそうな相手や情報提供者、スタッフなどを接待した場合にも認められます。接待相手だけでなく、自分の飲食代も交際費として認められます。

福利厚生費

福利厚生費とはスタッフの福利厚生に費やすものであり、スタッフ全員に支出する必要があります。

  • スタッフの半数以上が参加するといった、一定の条件を満たした慰安旅行
  • コンサートのチケット代
  • スポーツの観戦費用
  • テーマパークのチケット代
  • スタッフの旅行代金の一部を負担した時の費用
  • ボウリング大会の費用
  • スタッフ全員が利用できるクルーザー

特定のスタッフに支払った場合は、給与となります。また事業主に支出した費用は、福利厚生費に含まれません。福利厚生の内容について、就業規則にきちんと記載しておくとトラブル防止につながります。
スタッフを連れて視察旅行にいく場合にも、経費として計上可能です。ご自身の旅行代もスタッフの引率に必要であれば、旅費交通費として認められます。

学会への出張代も経費にできます。新幹線代やホテル代、食事代などは、奥様の分も含めて旅費交通費にあてられるのがポイントです。

自宅で使用するもの

クリニック内だけでなく、ご自宅で仕事をする開業医であれば経費の対象です。仕事をするために購入したものを忘れずに経費にしましょう。

  • パソコンやDVDレコーダー、テレビ、机、イスなどの備品
  • 仕事で使用した分の家賃や光熱費
  • 本や雑誌

家賃や光熱費などは、面積割合から合理的な基準で経費として算出します。本や雑誌などは、マーケティング目的として経費に計上できます。

その他

経費を増やす方法は、ほかにもいろいろあります。

  • 30万円以下の備品・機械は購入時に全額経費になる(年間300万円まで)
  • 家賃は1年分前払いすれば、支払った分が全額経費になる
  • 未払いの給与や賞与は支払い前に経費にできる
  • 診療報酬の未入金残高の一定額を貸倒引当金として経費に計上できる
  • 青色申告をすれば特別控除がある
  • 小規模共済に加入すれば、掛け金が全額、所得控除になる
  • 国民年金基金に加入すれば、掛け金が全額所得控除になる

交際費を増やす前に、経費もれがないかをきちんと確認しましょう。

税率自体を下げる

現在の税率区分を変更すれば、税率自体を大幅に下げられることも可能です。たとえば、個人から法人に税率区分を変える方法が挙げられます。

税率区分を個人⇒法人に変更

法人税および法人住民税の税率では、利益が800万円以下の部分は約18%であり、800万円を超える部分は約30%かかります。所得が1,800万円超えの個人開業医の場合、所得税40%+住民税10%=合計税率50%が発生するでしょう。しかし法人の場合、法人税適用により税率30%となります。法人化するだけで20%も節税されるのがポイントです。

医療法人などに所得を分散

医療法人やMS法人、そして家族に所得を分散させる方法もあります。課税所得3,000万円の個人開業医の場合、所得税と住民税の合計は約1,120万円です。

この状況で医院を医療法人で設立して、自身は理事長に就任します。さらにMS法人を設立して、奥さんが社長に就任すると仮定します。そうすると所得は開業医1人ではなく、医療法人・MS法人・奥さんに500万円ずつそれぞれ分散させることができて、税金も約730万円しかかかりません。

他にもある法人活用した節税方法

法人を活用した節税方法は、ほかにもあります。たとえば法人になれば、個人事業では認められていない退職金の支給が可能です。退職金の税金も通常の報酬よりかからず、かつ相続税対策にもなります。医療法人の理事長を25年勤めてから1億円の退職金を受け取ると、所得税と住民税の合計でも約1,900万円しかかかりません。

役員報酬として1億円受け取った場合の税金は約4,600万円かかるため、大幅に優遇されるのがメリットといえます。医療法人やMS法人の場合、退職金の低い税率を上手に活用するのがポイントです。

さらに法人の場合では、生命保険を活用できます。個人事業では、生命保険料を少額の控除として扱われるため、経費としては計上できません。しかし法人ならば、保険の種類によって掛け金の半額または全額を経費にあてられます。税金対策として生命保険に加入するケースも有効といえるでしょう。

必見!開業医のための節税対策7選

ほかにも7つの節税対策があります。個人開業医の節税対策を7つ紹介します。

小規模企業共済の利用

小規模企業共済に加入すれば、クリニックの院長の退職金を準備できます。

毎月の掛け金は、上限7万円です。30年間掛け続けて65歳以上で解約すれば、約3,000万円の一時金を退職金としてもらえます。年間最大84万円(7万円×12か月)は、院長の個人の税金です。生命保険料控除と同じように所得控除されて、個人の税金が安くなります。12月にまとめて84万円支払う方法もあります。退職金は退職所得になるため、税金もかなり優遇されるでしょう。

クリニックの小規模企業共済の加入条件は、常時使用するスタッフが5人以下の場合です。スタッフの人数が少ない開業時に加入しておきましょう。院長の奥様がクリニックのお手伝いだけをしている場合でも、給与をもらっていれば奥様自身も加入できます(平成23年1月1日からの申請が対象)。

少額減価償却資産の購入

取得価額が10万円以上20万円未満の資産については、その全額を3年間で償却可能です。取得価額が10万円未満の資産については、その全額を購入した年の必要経費に算入できます。使用可能期間が1年未満の資産も、購入した年の必要経費にあてられます。

青色申告者には特例として取得価額が30万円未満の資産を、購入した年の必要経費に算入できます。ただし年間300万円を超えると、少額減価償却資産が適用されません。

医療機器の特別償却

開業医ならば、医療機器の特別償却も可能です。正確には青色申告書を提出する個人であり、医療保健業を営む者が対象です。その年の3月31日までの間に次の医療用機器を取得し、医療保健業の用に供した場合、その用に供した年の償却費として必要経費に算入できます。金額については、次のとおりです。

  • 1台または1基の取得価額が500万円以上の医療用の機械及び装置並びに器具及び備品→14/100
  • 人工呼吸器、シリンジポンプ、新型インフルエンザ対策装置→20/100
  • 生体情報モニタ、生体情報モニタ連動ナースコール制御機、自動錠剤分包機、注射薬自動払出機、医療情報読取照合装置、調剤誤認防止装置、分娩監視装置、特殊寝台→20/100

中小企業投資促進税制を用いた電子カルテの導入

開業医がクリニックでレセプトコンピュータや電子カルテなどの設備投資を行う際に、税額控除や特別償却の優遇措置を受けられます。

正確には、青色申告を提出する個人事業者、または中小企業が設備投資する際に優遇措置が受けられる税制です。ここでいう中小企業とは、資本金1億円以下でスタッフが1,000人以下の場合に該当します。

  • すべての機械・装置→取得金額160万円以上
  • 電子計算機・デジタル複合機→取得金額120万円以上
  • ソフトウエア→取得金額70万円以上
  • 取得(ローン)の場合、取得価額より税額控除7%または特別償却30%
  • リースの場合、リース費用総額より税額控除7%

スタッフへの年末・冬季賞与の支給

確定申告の準備をしていたら、かなりの利益が予想されると仮定します。その場合は、スタッフに還元する意味を込めて、年末賞与の支給を行いましょう。

スタッフの社員旅行の実施

社員旅行を通じて、節税する方法もあります。ただし、年末までに社員旅行を以下の要領で実施することが条件です。

  • 旅行期間が4泊5日以内である
  • 旅行に参加するスタッフの数は、全スタッフの半数以上である
  • 1人当たりの旅費が20万円を超えない

20万円を超える旅費では、経費ではなく給与としてみなされます。また、海外旅行では、目的地の滞在日数が4泊5日以内である点にも注意しましょう。

中小企業倒産防止共済制度への加入

中小企業倒産防止共済制度とは、取引先の倒産により次々と倒産するのを防ぐ貸付制度です。「経営セーフティ共済」とも呼ばれています。国が全額出資しているため、安全に利用できます。無担保・無保証人・無利子で借りられるのも魅力です。

中小企業倒産防止共済制度に加入すれば、取引先事業者の倒産により回収できない金額を借りられます。ただし支払った掛金総額の10倍に相当する額と比べて、少ないほうの金額が適用されます。

開業医は忙しい…だからこそ専門家に相談!

一般的に勤務医よりも、開業医のほうが手取りが多くなる傾向にあります。なぜならば、開業医では控除により税金を抑えられるからです。せっかく開業医として働くのであれば、節税を意識したライフプランを検討しましょう。

節税の基本とは、個人レベルで控除を増やして課税所得金額を引き下げること。ただし年収1,500万円以上になると、いくら控除しても課税所得金額が900万円を超えてしまいます。そのため、本業でただでさえ忙しい医師にとっては、専門家へ相談する方法も大切な選択肢の1つです。

日本では累進課税制度が用いられており、所得が増えるほど所得税の税率も上がります。1,800万円超えでは、税率40%もかかってしまいます。給料の半分を税金で持っていかれるため、せっかく稼いでも手元に残るお金の少なさに驚くはず。

所得が多いだけにコントロールが大変

医師がバイトなどの副業を行う際に、税金の支払いにうんざりする場面がしばしばあります。休みを返上して働いても課税金額が上がってしまい、「何のために働いているのだろう?」と虚しくなる方もいるでしょう。

現実問題として分かってはいるけれども、なかなか考える暇がない開業医の方も多いでしょう。もしそう考えるのであれば、課税所得金額の引き下げだけでも専門家に相談してみることをおすすめします。

専門家に相談してみたら、開業医としての生き方がより良いものになるかもしれません。うまくいけば子どもの教育でも、より多くの時間と費用を回せるでしょう。節税対策と向き合うのは手取りの問題だけではなく、人生の問題を解決するためにもつながっていきます。